2013/05/14診療・感染情報 ( 5月14日) 予防接種について感じていること。
新緑の素晴らしい季節をむかえました。暑かったり寒かったりのGWでしたがみなさんいかがでしょうか。
素晴らしい気候のころは病気も少ないはずですが、お子さんたちのあいだには小さな病気の流行がみられています。運動会の練習、入学、入園後の環境の変化など、まだまだ疲れの残っているお子さんがいっぱいいます。夜はゆっくりやすんで、新しい明日にそなえましょう。早寝・早起き・朝ごはん。
1.胃腸炎がだらだら続いています。
ロタウイルス感染のお子さんもまだいらっしゃいますが軽いウイルス感染の胃腸炎も大きなお子さんを中心にみられています。嘔吐、下痢の激しいお子さんは早めに受診してください。
食欲が戻って、便の良くなってから集団にもどりましょう。
2.水痘
一部の保育園、幼稚園で水痘が流行中です。予防接種以外に防ぐことはできません。1回でもある程度は免疫を獲得しますが近年2回接種を小児科学会では勧めはじめています。
2回接種をご希望の方はお申し出ください。
3.アデノウイルス感染症
すこしづつでてきはじめました。
4.その他
4月下旬から5月上旬には一部の学校でインフルエンザA・Bがでましたが今週は落ち着いています。
手足口病も一部の保育園で流行がみられましたが、今週はおちついています。
風疹が首都圏で流行中です。
自称首都圏の宇都宮市が風疹(MR)の予防接種の助成については沈黙中です。このペースの流行ではいつ栃木県に大きな流行が来ても不思議はない状態です。
今20代から40代の男性。そうパパ達のほとんどは風疹の抗体を持っていない年代です。今風疹に罹っている方たちのほとんどがこの年代の男性なのです。この方たちが風疹にかからないよう
にしないと妊娠初期の妊婦さんに風疹をうつしてしまう危険性があるのです。先天性風疹症候群はその妊娠初期に風疹にり患してしまうことによって赤ちゃんに難聴、先天性心疾患、白内障
などの障害が出てしまう病気です。風疹の予防接種をうけることはご自分がかからないようにだけでなく社会全体への責任でもあるのです。そのことを政府にも、自治体にも判ってほしいと
ころなのですが、まだまだ危機感がうすいようです。小児科医の小さなささやきから、だんだんおおきな声に広げようと動き始めています。
色々な感染症も昔に比べると(私がまだ若くて元気に病棟を走り回っていたころ…・・十年前)大きくかわってきました。一時期小児科病棟の入院の大半を占めていた麻疹、重症の細菌性髄膜炎などは激減しています。病気は予防する時代に入りました。防げる病気は予防する時代です。多くの子供たちの命が注射一本で救える時代です。それでもまだまだ先進国に比べると日本のワクチン行政は大きく遅れています。国際的には恥ずかしいレベルなのです。もっともっとこ子ども達をを大切にしてほしい、少しの予算を予防接種に回してくれたら尊い命をもっと救うことができるのです。小さな声が集まれば大きな声になる。地道な一歩一歩からがんばっていきましょう。